高齢者にも仕事をしてもらうというスタンス

高齢者の仕事といえば自治体で募集している技能を生かした地元での伐採や除草などの作業が中心で、デスクワークや肉体労働からは距離を置くのが通常であったが、60歳を過ぎても大抵の場合にはエネルギッシュに活動できているし、自営業の方や専門職の方なら年齢を気にすることなくずっと働き続けている。そのため人手不足が叫ばれている介護業界では定年制を廃止し、元気な高齢者には積極的に働いてもらうことを奨励している。

老人ホームなどの施設では資格がなくても仕事をすることができるし、見回りや清掃といった自分のペースで働くことができる業務がたくさんある。しかも相談相手や話し相手といった対象として高齢者同士がコミュニケーションを取れれば、シンパシーも生まれるし世代も近いので理解しやすいというメリットがある。

常勤するのは大変であるがボランテイアとして時々顔を出したり、エンターテイメントの企画を立てる時にどんなものが望ましいかといった参考意見を聞くこともでき、施設のスタッフにとっても有益である。機能訓練などのトレーニングにも立ち会ってもらえれば、愚痴を聞いてもらったり、休みたいといった時にすぐに対応してくれることになる。運転が得意な人は多いので、通所のためのドライバーとしても活躍してもらえる可能性があるし、訪問介護員と家族と面談した時にも助言をしてもらったり、状況を把握して気持ちを代弁してもらったりできるなど活躍の場が広がることになる。